寝袋は、泊まる場所の最低気温に「快適温度」を合わせて選びます。下限温度(リミット)は、寒さに強い人が中で丸まって眠る前提の数字です。公式で両方を読めた15本では、2つの差が4〜8℃ありました。
ギアオタクの本命
商品名に入っている温度は、下限のほうだと思って読む。スノーピークは商品名に下限温度を付けていて、NEMO の Disco 15 は、15を華氏として摂氏に直すと−9.4℃。
スペック表の下限温度−9℃と重なる。名前の数字で買うと、快適温度より4〜6℃寒い夜に持ち出すことになるので、私はスペック表の快適温度の行しか見ない。
この記事の要点
- モンベルの使用可能温度は、1つ暖かい番手の快適温度と1〜2℃しか違わない。下限で買うと、番手1つぶん寒い寝袋になる
- 快適温度を1℃下げるのに増えるのは、モンベルのシームレス ダウンハガー800で平均37gと約1,395円(#7 から #0 までの差を19℃で割った数字)
- イスカは最低使用温度の1つだけ、コールマンは使用可能温度か使用下限温度の1つだけを商品ページに載せている。快適温度と横並びにしない
この記事の内容(12項目)
寝袋の快適温度と下限温度の違い:選ぶ基準は快適温度
快適温度は体を伸ばして楽に眠れる温度、下限温度(リミット)は寒さに強い人が丸まって眠れる温度です。「0℃の寝袋」は、0℃で楽に眠れる寝袋ではありません。
モンベルのシームレス ダウンハガー800 #3 は、公式ページに温度が2つ書いてあります。快適温度5℃、使用可能温度0℃です。
モンベルの定義では、0℃は「代謝が高く寒さに強い人が、中で丸まった状態で」眠れるとされる温度でした。
快適温度(コンフォート)と下限温度(リミット)は、だれの数字か
温度は、下着を着せたマネキンを寝袋に入れて測ります。ナンガの説明では、マネキンはマットの上に置かれます。床からの冷えはマットの受け持ちなので、マットのR値の目安と合わせて読みます。
快適温度は、寒さに弱い人がリラックスした体勢で眠れる温度です。
下限温度は、寒さに強い人が寝袋の中で丸まって眠れる温度。それより下の温度域を、ナンガは「低体温症になる恐れがあり非常に危険」と説明し、モンベルも危険温度域での使用をすすめていません。
下限温度で買うと、番手1つぶん寒い
モンベルの番手を、1段ずらして読みます。#3 の使用可能温度は0℃で、1つ暖かい #2 の快適温度は1℃。ほかの段も、ずれは1〜2℃しかありません。
「0℃まで使える」と読んで #3 を買った人が、0℃の夜に体を伸ばして眠るために要るのは #2 です。番手を1つ上げる差額は2,000〜7,800円。
#7 から #0 まで通すと、快適温度を1℃下げるのに平均37gと約1,395円でした(703 ÷ 19、26,500 ÷ 19)。
モンベル シームレス ダウンハガー800 #2
メーカーごとに違う、快適温度と下限温度の呼び名
| メーカー | 高いほうの数字 | 低いほうの数字 |
|---|---|---|
| モンベル | 快適温度 | 使用可能温度 |
| ナンガ | 快適使用温度 | 下限温度 |
| シートゥサミット | コンフォート温度 | リミット温度 |
| NEMO | 快適使用温度 | 下限温度 |
| スノーピーク | 快適温度 | 下限温度 |
| イスカ | 記載なし | 最低使用温度(1つだけ) |
| コールマン | 商品ページに記載なし | 使用可能温度/使用下限温度 |
ややこしいのは「使用可能温度」です。モンベルでは下限温度のことで、対になる快適温度が横に書いてあります。イスカとコールマンは低いほうの1つだけなので、他社の快適温度と横並びにしません。
私はこう選びました
最初に見たのは、快適温度が泊まる場所の最低気温と同じか、それより低いかです。次に、同じ温度帯の中で重さと値段を比べ、ダウンの量が読める物は1gあたりの値段も割り算しました。
迷ったのは−5℃前後で、数字だけならモンベルの #0 が上です。それでもナンガの 630DX を本命にしたのは、ダウンの量を公式で確かめられるからです。
快適温度と下限温度の早見表:15本の差は4〜8℃
快適温度と下限温度の両方を公式で読めたのは、5社の15本でした。
表は横に動かせます →
| モデル | 快適 | 下限 | 差 | 公式の値段 |
|---|---|---|---|---|
| モンベル シームレス ダウンハガー800 #7 | 11℃ | 7℃ | 4℃ | 23,500円 |
| 同 #5 | 8℃ | 4℃ | 4℃ | 25,500円 |
| 同 #3 | 5℃ | 0℃ | 5℃ | 29,500円 |
| 同 #2 | 1℃ | −5℃ | 6℃ | 37,000円 |
| 同 #1 | −3℃ | −10℃ | 7℃ | 44,800円 |
| 同 #0 | −8℃ | −15℃ | 7℃ | 50,000円 |
| ナンガ オーロラテックス ライト 380DX | 3℃ | −3℃ | 6℃ | 49,500円 |
| 同 480DX | 0℃ | −8℃ | 8℃ | 55,000円 |
| 同 630DX | −6℃ | −13℃ | 7℃ | 67,100円 |
| 同 780DX | −10℃ | −18℃ | 8℃ | 73,700円 |
| NEMO Disco Men's Endless Promise 30 | 4℃ | −1℃ | 5℃ | 26,400円 |
| 同 15 | −3℃ | −9℃ | 6℃ | 31,900円 |
| シートゥサミット スパーク7C | 11℃ | 7℃ | 4℃ | 47,520円 |
| 同 スパーク-1C | 4℃ | −1℃ | 5℃ | 64,790円 |
| スノーピーク バクー BACOO 350 | 5℃ | 1℃ | 4℃ | 44,000円 |
差は、冬向けのモデルほど開きます。モンベルでは #7 の4℃から、#0 の7℃まで広がっていました。冬の寝袋ほど、下限温度で買ったときの読み違いが大きくなります。
最低気温5℃前後:本命は モンベル シームレス ダウンハガー800 #3
快適温度がちょうど5℃で、重さは568g。快適温度が近い4本と比べて、値段は下から2番目、重さは軽いほうから2番目です。両方がそろうのは、これだけでした。
気をつける所は、使用可能温度の0℃を当てにしないこと。最低気温が3℃を下回りそうなら、200gと7,500円を足して最初から #2 です。
モンベル シームレス ダウンハガー800 #3
値段を抑えるなら NEMO の Disco 30 で、重さは880gあります。軽さを取るならスパーク-1C。493gですが、値段は #3 の約2.2倍です。
シートゥサミット スパーク-1C
最低気温0℃前後:本命は ナンガ オーロラテックス ライト 480DX
快適使用温度が0℃ちょうどで、重さの55.2%がダウンです。快適温度と下限温度の差は、15本の中でいちばん大きい。札の−8℃を見て冬山向けと読むと、8℃ぶん寒い夜に持ち出すことになります。
ここは微妙です。値段はモンベルの #2 の約1.5倍で、102g重い。ダウンの量を数字で確かめたい人でなければ、#2 で足ります。
ナンガ オーロラテックス ライト 480DX
最低気温−5℃前後:本命は ナンガ オーロラテックス ライト 630DX
−5℃の夜に快適温度で届くのは、15本の中ではこれと、ナンガの 780DX、モンベルの #0 の3本だけです。480DX からの差は320gと12,100円で、快適温度は6℃下がります。
気をつける所は値段で、モンベルの #0 のほうが17,100円低い。ダウンの量を確かめて買いたい人に向きます。
ナンガ オーロラテックス ライト 630DX
値段で選ぶなら NEMO の Disco 15。ダウン1gあたり49.7円は、量を読めた11本の中でいちばん低い数字です。−5℃には2℃届かないので、最低気温が−3℃までの場所で使います。
NEMO ディスコ エンドレスプロミス 15
快適温度が書いていない寝袋の読み方
イスカ エアプラス 280
最低使用温度は−1℃で、重さは550g。公式は、最低気温がこの数字より低いなら持っていかない、と線を引いています。判断がつかない人や初心者には暖かい側の目安をすすめていて、数字ぎりぎりで使う前提ではありません。気温に余裕を持って使える人に向きます。
イスカ エアプラス 280
コールマン タスマンキャンピングマミー/L-15
商品ページの温度は「使用可能温度:−15℃以上」の1つだけです。コールマンの読み物は同じモデルの快適温度を−9℃と紹介していて、差は6℃あります。
重さは約3.4kgあります。背負う道具ではなく、車で運ぶ冬の寝袋です。
コールマン タスマンキャンピングマミー L-15
買わなくていい人
- 今の寝袋の快適温度が、次に泊まる場所の最低気温より低い人。足りています。
- あと2〜3℃だけ足りない人。モンベルは、保温材入りのウエア、カバー、インナーシーツで温度を調節できると書いています。
- 夏の平地でしか泊まらない人。快適温度11℃の #7 やスパーク7C でも余ります。
モンベルも、温度域は試験の結果で、個人の体感とは異なることがあると書いています。メーカーをまたいだ1〜2℃の差は、選ぶ材料にしていません。
よくある質問
寝袋は、快適温度と下限温度のどちらで選びますか
快適温度です。ナンガは「女性はComfort、男性はLimitをご参考ください」と案内していますが、下限温度は丸まって眠る姿勢が前提なので、私は男性にも快適温度をすすめます。
快適温度は、最低気温より何℃低い寝袋を選びますか
コールマンは、最低気温より5℃低い対応温度のモデルを選ぶと安心だと書いています。私は、快適温度が最低気温と同じかそれより低いことを、最低の線にしています。
寝袋の温度表示は、何を着て寝た場合の数字ですか
下着です。モンベルは、アンダーウエアを着用した状態を想定した数字だと書いています。厚い服を着込んだ数字でも、マット無しの数字でもありません。
この記事に出てきた道具
広告・画像:楽天市場出典(公式ページ 25本)
- モンベル 公式 モンベルのスリーピングバッグ(温度表示の説明)
- モンベル 公式オンラインストア シームレス ダウンハガー800 #0
- モンベル 公式オンラインストア シームレス ダウンハガー800 #1
- モンベル 公式オンラインストア シームレス ダウンハガー800 #2
- モンベル 公式オンラインストア シームレス ダウンハガー800 #3
- モンベル 公式オンラインストア シームレス ダウンハガー800 #5
- モンベル 公式オンラインストア シームレス ダウンハガー800 #7
- ナンガ 公式 使用温度表示について(EUROPEAN NORM)
- ナンガ 公式オンラインショップ オーロラテックス ライト 380DX
- ナンガ 公式オンラインショップ オーロラテックス ライト 480DX
- ナンガ 公式オンラインショップ オーロラテックス ライト 630DX
- ナンガ 公式オンラインショップ オーロラテックス ライト 780DX
- イスカ 公式 季節と標高から考える寝袋の選び方
- イスカ 公式 寝袋の選び方(クイックチョイス)
- イスカ 公式 エアプラス 280
- イスカ 公式 エアプラス 450
- NEMO Equipment Japan 公式 Disco Men's Endless Promise 15
- NEMO Equipment Japan 公式 Disco Men's Endless Promise 30
- シートゥサミット 日本の正規取扱店の公式ストア スパーク-1C
- シートゥサミット 日本の正規取扱店の公式ストア スパーク7C
- スノーピーク 公式オンラインストア バクー BACOO 350
- スノーピーク 公式オンラインストア グランドオフトン シングル1000(快適温度・下限温度の定義)
- コールマン 公式オンラインショップ タスマンキャンピングマミー/L-15
- コールマン 公式オンラインショップ タスマンキャンピングマミー/L-8
- コールマン 公式オンラインショップ キャンプ寝具の選び方