テントの耐水圧は、フライ(外側の幕)が1,500mmあれば、メーカーの目安に届きます。公式で読めた13張りのフライは1,000〜3,000mmで、ここに大きな差はありません。差が出るのはフロア(床)で、フライと同じ数字のテントから2.5倍のテントまでありました。
ギアオタクの本命
雨はフライの上を流れ落ちるだけだが、フロアは人の体重で濡れた地面に押しつけられる。同じ1,500mmでも、床のほうがずっときつい仕事をしている。
だから私は、フライが1,500mm前後あると分かったら、あとはフロアの数字と生地の太さ、縫い目の処理だけを見て決める。
この記事の要点
- 耐水圧1,000mmは約9.8kPa。試験は生地の片面に水圧をかけ、反対側に水が出た時の圧力を読むもので、1,500mmなら毎分60cmの上げ方で2.5分で終わる
- スノーピークの「ミニマム」とDODの「最低耐水圧」は、平均ではなく最低の値を書く表記。ほかの会社の数字と横に並べるときは、この違いを頭に置く
- ポリコットン(TC)の屋根は350mm。防水の膜ではなく、綿が水を吸って膨らむことで雨を止める作りなので、数字の物差しが別
この記事の内容(11項目)
テントの耐水圧の目安は何mmか:メーカーの言葉
コールマンは、一般的なキャンプなら1,500mm以上、強い雨を想定するなら2,000mm以上と書いています。MSR(モチヅキ)は1,500mmほどで足りると見て、山岳用のフライを1,200mmにしています。
私はこう選びました
私が最初に見たのはフライ(外側の幕)で、コールマン公式の目安「一般的なキャンプなら1,500mm以上」に届くかだけを確かめました。13張りのうち11張りが届いたので、フライでは順位を分けていません。
分けたのはフロア(床)で、フロア ÷ フライの倍率、フロアの生地の太さ、縫い目の処理の順に見ました。この見方でいちばん上に来たのが、フロア5,000mmの DOD ザ・テントM です。
DOD ザ・テントM
テント13張りの耐水圧:フライとフロアを並べる
公式でフライとフロアの両方を読めた13張りです。
| モデル | フライ | フロア | フロア÷フライ |
|---|---|---|---|
| スノーピーク アメニティドームM | 1,800mm | 1,800mm | 1.0倍 |
| スノーピーク ランドロック | 3,000mm | 1,800mm | 0.6倍 |
| スノーピーク ランドロック X | 3,000mm | 1,800mm | 0.6倍 |
| コールマン ツーリングドーム/ST | 約1,500mm | 約1,500mm | 1.0倍 |
| コールマン BCクロスドーム/270 | 約1,500mm | 1,500mm | 1.0倍 |
| コールマン タフスクリーン2ルーム TX/MDX | 約2,000mm | 約2,000mm | 1.0倍 |
| ogawa ステイシーST-II | 1,800mm | 1,800mm | 1.0倍 |
| ogawa ステイシーファルダII | 1,800mm | 1,800mm | 1.0倍 |
| モンベル ムーンライト テント2 | 1,500mm | 2,000mm | 1.33倍 |
| モンベル ステラリッジ テント2 | 1,000mm | 1,500mm | 1.5倍 |
| DOD ザ・テントM | 2,000mm | 5,000mm | 2.5倍 |
| MSR ハバハバLT(2人用) | 1,200mm | 1,800mm | 1.5倍 |
| MSR エリクサー2 | 1,500mm | 3,000mm | 2.0倍 |
フライは1,000〜3,000mmで、13張りのうち9張りが1,500〜2,000mmに収まっています。フロアは、フライと同じ数字が6張り、低いのが2張り、高いのが5張り。倍率は0.6倍から2.5倍まで開きました。
フロアの耐水圧は、なぜフライより要るのか
フライには押す力がかかりませんが、フロアには体重がかかります。圧力は 力 ÷ 面積 なので、体重60kg(588N)の人で、床にかかる圧力を概算しました。
表は横に動かせます →
| 姿勢(仮定) | かかる重さ | 当たる面積 | 圧力 | 水柱に直すと |
|---|---|---|---|---|
| あぐらで座る | 588N | 600cm² | 9.8kPa | 約1,000mm |
| 片ひざをつく | 294N | 100cm² | 29.4kPa | 約3,000mm |
| ひじをつく | 147N | 25cm² | 58.8kPa | 約6,000mm |
座っているだけなら約1,000mm。片ひざをつくと約3,000mmで、1,500〜2,000mmのフロアを超えます。DOD はフロア5,000mmのテントでも、地面の凸凹や濡れ具合によっては浸水する場合があるとして、グランドシートの併用をすすめています。
フロアは生地の太さと縫い目も見る
防水の膜は、生地の上に塗った薄い層です。支える生地が太いほど、小石でこすれても膜まで傷が届きにくくなります。アメニティドームM とタフスクリーンは、倍率は1.0倍でも、フロアは210デニール(糸の太さ。
数字が大きいほど太い)で、フライの75デニールの2.8倍でした。
ツーリングドーム/ST と ogawa ステイシーST-II は、フロアもフライと同じ75デニールです。この2つは、下にグランドシートを敷く前提で選びます。
縫い目は、耐水圧の数字に入っていません。試験で測るのは、直径113mmの円に切り出した生地だからです。耐水圧が同じ2張りで迷ったら、素材の欄に「シームシール」「シームテープ」と書いてあるほうを選びます。
耐水圧の測り方:1,500mmの試験は2分半で終わる
試験は、生地の片面に水圧をかけていき、反対側に水が出た時の水圧を読むだけです(JIS L 1092。大阪産業技術研究所の説明)。
水圧を毎分60cmで上げるなら、1,500mm(150cm)に届くまで 150 ÷ 60 = 2.5分。耐水圧は「どれだけ長く耐えるか」ではなく、「どれだけ強く押されると漏れるか」の数字です。
スノーピークの「ミニマム」は、平均ではなく最低の値
スノーピークの「1,800mmミニマム」は、生地のどの1点を測っても最低1,800mmを保証する表記です。DOD の「最低耐水圧」も同じ考え方で、平均値ではなく最低値が記載値以上になるように設定しています。
平均か最低かの説明は、コールマン・ogawa・モンベルのページでは読めませんでした。
本命3つ:フロアで選ぶとこうなる
ファミリーのドーム:DOD ザ・テントM
フロア5,000mmは13張りの中でいちばん高く、フライの2.5倍で、しかも最低値の表記です。フライも150デニールで、75デニールが並ぶドーム型の2倍の太さ。
ここは微妙です。縫い目の処理は商品ページで読めませんでした。床の数字を先に見る家族に向きます。
2人用:モンベル ムーンライト テント2
フライ1,500mmに対してフロア2,000mmで1.33倍、フロアの糸は40デニールでフライの2倍の太さです。総重量2.46kgの軽いテントで、床だけを一段厚くしてあります。
ただ、40デニールはファミリー用の210デニールの約5分の1なので、砂利のサイトでは下に1枚敷きます。軽さを先に見る人は、ソロテントの重さの比較へ。
モンベル ムーンライト テント2
2ルーム:コールマン タフスクリーン2ルーム TX/MDX
フライもフロアも約2,000mmで、コールマン自身の「強い雨を想定する場合」の目安に届きます。フロアは210デニールで、フライとフロアの両方にシームシールと明記されています。
倍率は1.0倍で、床が屋根を上回ってはいません。屋根の数字を優先する人は、ルーフ3,000mmのランドロックです。
コールマン タフスクリーン2ルーム TX/MDX
ポリコットン(TC)は、物差しが別
ポリコットンの屋根は耐水圧350mmで、1,500mmの目安の4分の1以下です。DOD の説明では、防水の膜ではなく、水を吸った綿が膨らむことで雨漏りを防ぐ作りです。
試験は乾いた状態から数分で水圧を上げるので、350mmは TC の雨への強さをそのまま表してはいません。
DOD エイテントは壁を2,000mmのポリエステルに、ogawa アポロンT/C は屋根に1,800mmのルーフフライを重ねて補っています。
長い雨では雨漏りする場合があり、濡れたまましまうとカビが出やすいと DOD は注意しています。
買わなくていい人
- いまのテントのフライが1,500mm前後ある人。先に足すのは、床の下の1枚です。
- フロアがフライと同じ数字でも、床が濡れた覚えのない人。平らで水はけのいい区画なら、床に水圧がかかる場面が少ない。
- 耐水圧の高さだけで TC から買い替えようとしている人。350mmは欠陥ではなく、作りが違うだけです。
耐水圧は新品の生地の数字で、表記の決まりもメーカーごとに違います。200〜300mmの差は、順位を決める材料にしていません。
よくある質問
耐水圧1,500mmのテントで、雨の日に泊まれますか
フライは、メーカーの目安に届きます。コールマンの公式は、一般的なキャンプなら1,500mm以上と書いています。床は別で、フロアの数字と下に敷く物で考えます。
テントのフロアの耐水圧は、何mmあればいいですか
片ひざをつく場面まで見るなら、約3,000mmです(当サイトの概算)。3,000mm以上は DOD ザ・テントM と MSR エリクサー2 の2つだけでした。
それより低いテントは、グランドシートと室内のマットで、圧力のかかる面を広げます。
耐水圧は、高ければ高いほどいいですか
フライは、高ければ高いほどいい物ではありません。防水の膜を厚くすれば重くなるからです。
スノーピークの1,800mmは、他社の2,000mmより低いのですか
そのまま比べられません。スノーピークは最低値の表記で、平均値で書かれた2,000mmには、2,000mmを下回る箇所が含まれるからです。
この記事に出てきた道具
広告・画像:楽天市場出典(公式ページ 22本)
- 大阪産業技術研究所 テクニカルシート No.14006 耐水度試験機
- 日本規格協会 JIS L 1092:2025 繊維製品の防水性試験方法(プレビュー)
- コールマン 公式オンラインショップ テントの一覧(よくある質問)
- コールマン 公式 ツーリングドーム/ST
- コールマン 公式 タフスクリーン2ルーム TX/MDX
- コールマン 公式 BCクロスドーム/270
- スノーピーク 公式 アメニティドームの特集(ミニマムの説明)
- スノーピーク 公式オンラインストア アメニティドームM
- スノーピーク 公式オンラインストア ランドロック(TP-671R)
- スノーピーク 公式 ランドロック X
- スノーピーク 公式 テント・シェルター等 仕様違い対象製品一覧
- ogawa ONLINE STORE ステイシーST-II
- ogawa ONLINE STORE ステイシーファルダII
- ogawa ONLINE STORE アポロンT/C
- モンベル 公式オンラインストア ムーンライト テント2
- モンベル 公式オンラインストア ステラリッジ テント2 本体
- モンベル 公式 ステラリッジ テントの解説
- DOD 公式 ザ・テントM(カーキ)
- DOD 公式 エイテント(タン)
- MSR 日本公式(モチヅキ) ハバハバLT
- MSR 日本公式(モチヅキ) エリクサー
- MSR 日本公式(モチヅキ) ハバハバシールド